東京は、400年前から、世界一の大都市・江戸として、発展しましたが、その中心は武士でした。「武士が江戸でどう住んでいたか」、「どう仕事していたか」を見ていくことを通して、外国人に東京を紹介する際の基礎知識が得られます。現在もNHKの番組に助言している安藤先生は、時代劇等なじみのある話題を織り交ぜながら、浮世絵や当時の外国人が取った写真などを活用し、具体的に説明してくださいました。
また、参加者のレベルが高く、積極的なのも、この講座の特徴でした。安藤先生が、前半と後半に2回も質問の時間を作ってくださりましたが、20問以上の質問が出され、終了時間で区切るのが大変でした。以下、講義の概要を紹介します。
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神田公園区民館の会場は大入り満員で、外は寒風が吹きすさんでいるにもかかわらず、熱気で暖房がほとんどいらないほどでした
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①江戸の大きさ
100万人といわれる(世界最大の都市で、その当時パリでも50万人程度)18世紀初めの江戸の町、町人文化のイメージがありますが、実際はその半数が武士であり、土地にいたっては七割が武士の住む地域だったといわれています。
②江戸城の内部
政務をつかさどる表向、将軍の普段住む中奥、将軍のプライベート空間である大奥があります。
③大名屋敷の区分
・上屋敷 大名やその家来が住む。江戸城の近隣にある。
・中屋敷 隠居した大名や子どもが住む。江戸城から少し離れたところにある。
・下屋敷 別荘のようなもので、品川など遠隔地にある。
以上の3種類がありました。屋敷の中は広く、畑で自給自足できるほどでした。以上、実は、私も知らなかったです。
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安藤先生の講義は、質問時間が長い。どんな質問でも、概ねの回答ができる力があるからだと思う。また、当日、回答できなかった質問は、調べて、このホームページに掲載します。 |
●外国人観光客が訪れる代表的な東京観光の場所は、浮世絵などの影響により、江戸を感じるような場所、江戸城、浅草寺、神田明神、隅田川などが好まれる。
●江戸は外国人から見ると緑、水豊かな土地であり、隅田川や神社の境内(鎮守の森)などに行くことによって追体験することが良い。
●外国の方に「将軍は大奥に住んでいるのか」と聞かれたことがあるそうですが、中奥が正解です。
●地方から江戸に来た観光客は、自分の国許の殿様の屋敷を見るのが定番の観光地でした。
今の霞ヶ関の場所が観光のメッカになっていました。
●外様大名は月三回、「儀式日」といわれる日に登城するのが重要な仕事の一つでした。この大名行列は、全部で1万人もの規模となり、また、それを見るのが江戸の観光名物になっていました。オリンピックの入場行進みたいですね。
(結論)各藩の財政支出の約半分が参勤交代と江戸での暮らしに使われていた。東京での武士の仕事は、たいしてなかったとのことですから、こうした膨大な余裕と消費が江戸の様々な文化の基礎となりました。そうして生まれた、浮世絵や歌舞伎などの話は、次回以降のテーマとなります。
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