地域の魅力徹底研究セミナー

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◆「秋葉原観光の現状と課題」
松波 道廣氏(NPO法人秋葉原観光推進協会理事)

秋葉原は、今では世界中から旅行者が集まる観光スポットとして注目されています。駅前には大きなビルが立ち並び、マンガやアニメなどの『ポップカルチャー』の情報発信地にもなっています。

秋葉原が大きく変化を遂げたのは2000年を境にしてからだと思います。もともとラジオの部品等を取り扱う電気街として秋葉原は発展しましたが、その後パソコンの登場とともにパソコン部品を取り扱う専門店が立ち並ぶようになりました。しかし、大型店舗の駅前でのパソコン販売やインターネット通販の発達で一般客が衰退し、2000年のITバブルの崩壊とともに、それまでの電化製品にだけ頼ってきた秋葉原に変化がもたらされるようになりました。

いわゆる『オタク』と呼ばれる層の方たちにより、ポップカルチャーが大きな割合を占めるようになりました。もともと「オタク」の方たちはITバブル崩壊以前からもプロの目を持ったコンシューマー(プロシューマー)としてパソコンの部品などを買いに秋葉原に来ていましたが、その流れでポップカルチャーが発展したといえます。彼らは専門的な店を好み、一般客が足を運ばないような専門店に行くことが多いため、大型店舗の裏通りが「オタク」たちにより活気付くようになりました。本来「オタク」というとネクラのようなネガティブなイメージでしたが、『電車男』が有名になると「オタク」という存在がにわかに脚光を浴びるようになります。それに便乗した形で、メイドカフェなども注目されるようになり、今ではメイドは秋葉原のシンボルとも言える存在になっています。


松浪氏画像
また、外国人にもアニメやマンガが「Cool Japan」と評され、秋葉原もいつしか「アキバ」という呼び名で定着するようになりました。今では昔から営業している古い老舗の存在と、駅前のビルやポップカルチャーなどの新しいものが混在しているところが秋葉原の魅力ではないかと思います。現在では外国人旅行者がとても増えたため、外国人に秋葉原を無料で案内する「秋葉原新発見ツアー」なども実施しています。さらに、エンタメ祭りと称して芸人さんを呼んだイベントを行い、アニメ検定を実施するなど、様々な取り組みをしています。2007年には秋葉原の店舗情報が入っている3ヶ国語のマップを制作し、配布をしています。また、ジャパンフェスタやトラベルマートなどにも積極的に参加し、情報発信を行っています。


松波氏画像


これからの課題としては、まず誤解のない正しい情報を発信していくことが一つです。やはり海外で伝わっている情報は少しずれがあったりするものです。もっとリアルタイムな情報が海外へ発信できればと思います。そしてもう一つは、地域内の連携です。2000年以降増えてきたホビー系の店舗との連携がまだきちんと取れていない状況です。秋葉原の歴史を感じることができる老舗店舗を残していくためにも、秋葉原の新しい顔であるホビー系の店舗と協力し合い、よりよい街づくりができればと思います。今後も積極的な情報発信と地域内の連携を図り、秋葉原を活性化させていければと思います。


取材・文章:村山、加瀬、寺本、ジョン
写真:日本文化体験交流塾、やまとごころ.jp
 


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